性器(ペニス)が
痛い・痒い・できもの
(発疹)がある時は
何科を受診すべき?
早期治療が必要な病気によって起こっている可能性もあるため、泌尿器科や皮膚科の診察を受けることをお勧めします。
性器(ペニス)が
痛い・痒い・できもの
(発疹)の原因や疾患
感染症や外傷などの原因で起こることがあります。また、乾燥や下着との摩擦、感染症などで、かゆみが出ることもあります。
ペニスに痛みや腫れが
できる病気
亀頭包皮炎
亀頭と包皮に炎症を伴う病気で、ペニスに痛みやかゆみが生じることがあります。
細菌性亀頭包皮炎
原因
亀頭や包皮に付いた傷を介して細菌が感染する。
性行為後の傷から感染することも少なくありません。
症状
包皮や亀頭が赤くなる、ただれ、痛みが出る。
治療
抗菌薬の服用、抗菌薬とステロイドの合剤を含む軟膏の塗布
真菌性亀頭包皮炎
原因
亀頭・包皮に真菌が感染する。
症状
包皮や亀頭が赤くなる、ただれ、痛みを伴う、白や黄色のカスが蓄積する。
治療
抗真菌薬の服用、軟膏の塗布
性器ヘルペス
単純ヘルペスウイルスが感染することで発生します。
症状
性器やその周りがかゆくなる、痛み、不快感を伴う水ぶくれが発生する。
梅毒
性行為によって、口や性器などの粘膜や皮膚から梅毒トレポネーマが感染することで起こる性感染症です。
第Ⅰ期
- 感染した部位の近くにしこりや赤いただれが現れ、時に痛みや痒みが伴います。
- 症状は約1ヶ月で自然消失しますが、細菌そのものは体内に残ります。
第Ⅱ期
- 3ヶ月程度経過すると、赤い発疹が手の平、足の裏、全身に広がります。
- これらの発疹は数ヶ月で自然に消えることがありますが、細菌は体内に残ります。
第Ⅲ~Ⅳ期
数年~数十年間も放っておくと、以下のような症状が起こるリスクが高くなります。
- 皮膚や筋肉、骨にゴムのようなしこりができます。
- 心臓、血管、脳などに重篤な合併症を起こし、最悪の場合、命を落とすこともあります。
陰茎折症
勃起した状態で陰茎に強い力がかかると、陰茎の白膜が断裂し、陰茎が腫れたり変形したりすることがあります。激痛を伴う場合もあり、断裂した白膜を縫合する手術が必要です。
症状
- 陰茎が変形する、腫れる、痛む
原因
- 無理な体勢で性行為をする
- 自慰行為
- 早朝、勃起した状態で寝返りした など
嵌頓包茎
包皮をむいて亀頭を露出させると、陰茎が締め付けられて血流が悪くなる状態です。
症状
亀頭が腫れる、激痛が起こる
原因
包皮口が狭い状態で包皮をむく
持続勃起症
性的な欲求や興奮の有無にかかわらず、勃起状態が4時間以上持続する状態です。
症状
- 陰茎が痛む
原因
- 精神安定剤などによる副作用
- ED治療薬を服用しすぎている
- 血液疾患(白血病など)にかかっている
ペニスにかゆみが出る
病気
毛じらみ症
ケジラミという吸血昆虫が体毛に寄生する状態です。陰毛に寄生すると、性器やその周りがかゆくなります。
症状
- 陰毛や性器周辺の皮膚がかゆくなる(我慢できないほどのかゆみ)
感染経路
- 性行為(陰毛に触れることで感染)
- タオルや寝具などの接触
疥癬(かいせん)
ダニの一種である「ヒゼンダニ」が皮膚の角層に寄生することで発症する感染症です。
症状
- 強いかゆみ、赤いブツブツ、発疹が出る
症状の特徴
- 疥癬トンネル(赤い発疹)ができる
- 性器の周りにしこりができる
感染経路
- 性行為をきっかけに、肌や手指に触れることで感染する
- タオルや寝具などに触れて感染するケースもある
陰部湿疹
男性は特に、陰部や陰嚢の裏側に湿疹ができやすい傾向にあります。
症状
- かゆみを伴うケースがほとんど
- 長期化すると皮膚が硬くなることもある
注意事項
- 何度もかくと陰部に傷が付き、別の感染症にかかりやすくなります。
汗疹(あせも)
汗疹(かんしん)は、大量の汗の分泌によって皮膚に小さなブツブツができる状態です。
症状
- かゆみを伴うことがほとんど
注意事項
- かくと症状がひどくなります。皮膚に傷ができて痛みが出たり、細菌に感染しやすくなったりします。
扁平苔癬
(へんぺいたいせん)
皮膚や粘膜に慢性的な炎症が生じることで起こる病気です。
症状
- 皮膚が赤色または紫色へ変色する
- 皮膚にただれ、ブツブツ、かさぶたができる
- かゆみや痛みが出ることもある
発症の原因
- ウイルス感染や接種などをきっかけに、元々持っている免疫細胞に異常が生じることで起こるのではないかとされています。
- 原因不明のケースもある。
注意事項
- 口腔扁平苔癬からがんへ移行する恐れもある
股部白癬
(いんきんたむし)
陰部から内股へ白癬菌が移動することで発症するケースもあります。
症状
- 発疹(かゆみも伴う)
- 赤くて小さいブツブツができる
発症の原因
- 他の部位(足など)に感染した白癬菌が陰部へうつることで発症する
- 湿度が高く、通気性の悪い環境にいると感染リスクが高くなる
性器のかゆみと
痛みのなど性感染症の
予防や対処法
感染予防
①性行為をしない
一番安全でかつ確実な方法ですが、実行するのは難しいかと思います。
②性行為中はコンドームを使用する
腟性交の時だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスを行う時にも欠かさず着用しましょう。
③性行為するパートナーを絞る
不特定多数との性行為は、感染のリスクを高める要因にもなります。
予防法
①性行為前・後には
シャワーを浴びる
人体には性感染症を引き起こす病原菌が多く存在します。口内の傷や血液から感染するリスクもあるため、歯磨きする時は歯茎などを傷つけないようにしましょう。
②性感染症検査を受ける
症状がない方でも定期的な検査を受けることをお勧めします。
③寝具の清潔を保つ
ケジラミや疥癬などの病原虫が寝具に付着する可能性があるため、寝具は常に清潔に保つようにしましょう。
④生理期間中は
性行為しない
生理中の性器は非常にデリケートですので、感染リスクも高くなります。
⑤アルコールを飲んだ
まま性行為をしない
アルコールは判断力を低下させるので、感染予防の行動をとれない可能性が高くなります。
⑥屋外で性行為しない
公園や砂浜、車内などは衛生状態が悪いので、感染リスクが高くなります。
⑦性行為前にはトイレに行く
特に女性は膀胱炎にかかりやすいので、性行為前・後に排尿することをお勧めします。
⑧体調が優れない時は
性行為を避ける
病気や疲れなどで免疫力が下がっていると、性感染症にかかりやすくなります。
⑨性器を傷つけない
長い爪や器具などで粘膜を傷つけてしまうこともあります。器具を使いたい場合は、コンドームを使用するようにしましょう。
⑩パートナーの性器を
チェック
男女共に性器にイボやブツブツがないか、男性の場合は尿道から膿が出ていないか、女性の場合は性器から悪臭が出ていないかなどをチェックしましょう。
⑪剃刀やタオルなどを
共用しない
感染を防ぐため、タオルや剃刀、歯ブラシなどを共用するのは止めましょう。
⑫感染の可能性がある
うちは献血しない
HIV(エイズウイルス)や肝炎などに感染している方、もしくは感染の可能性がある方は献血しないでください。