- おしっこするときに痛い、排尿時痛とは
- 排尿時痛のタイミングはいつ?
初めの方?終わりの方?ずっと? - 排尿時痛を感じる場所は?
尿道?下腹部? - 排尿時痛の原因・疾患
- 排尿時痛が何日続くと受診するべき?
- 排尿時痛の検査
おしっこするときに痛い、
排尿時痛とは
排尿時に生じる痛みは排尿痛と呼ばれ、早期治療が重要とされています。放置すると腎臓にダメージが及ぶこともあり、最悪の場合、腎不全に至る恐れもあります。
排尿時痛のタイミングは
いつ?初めの方?
終わりの方?ずっと?
排尿時の痛みは、感じる痛みのタイミングや箇所によって分類されます。それによって関連する疾患も異なります。
初期排尿時痛
排尿し始めた時に感じる痛みです。尿が炎症している部位に触れることで起こります。非常に強い疼痛や焼けるような感覚が生じます。
可能性のある病気
- 尿道炎(淋菌やクラミジアなどによる)
- 前立腺炎
- 尿道結石
終末時排尿痛
排尿終了後に感じる痛みは、膀胱上皮が互いに接触することで起こるものです。尿道部に「ズキッ」「ツーン」とした痛みが生じます。
可能性のある病気
- 膀胱炎(急性膀胱炎)
- 腎盂腎炎
- 前立腺炎
- 尿路結石
全排尿時痛
排尿し続けている間に痛みが続く場合は、強い炎症によって生じている可能性があります。この場合、膀胱炎の再発や慢性化が原因とされます。
可能性のある病気
- 急性膀胱炎(高度)
- 腎盂腎炎
- 尿道狭窄症
排尿時痛を感じる場所は?
尿道?下腹部?
尿道の痛みの場合
尿道炎や前立腺炎が疑われます。また、排尿し終わった辺りに痛みが起こる場合は、尿路結石、膀胱炎などの疾患が考えられます。痛みが激しい場合や、白色・黄色の膿も出る場合は性感染症の可能性もあります。
下腹部の痛みの場合
女性の場合、よく急性膀胱炎が見られます。女性は尿道が短いため、外尿道口から細菌が入りやすく、膀胱に感染しやすい傾向にあります。
背中や脇腹あたりの
痛みの場合
腎臓や尿管に炎症・結石が生じているサインでもあります。痛みの強さは炎症の程度や、結石の大きさによって変わります。
排尿時痛の原因・疾患
免疫力の低下
日常生活での疲れやストレスが解消できずにいると、免疫力が低下し、感染のリスクが高くなります。
免疫が低下、感染症を
引き起こしやすい
タイミング
- 風邪をひいた時
- 仕事や学業、家事などで忙しく、疲れが溜まっている時
- 休息する時間が取れない時
- 悩みなどがあり、精神的に疲れている時
性感染症
性交渉による感染症は、特に10~20代の若年層に多く見られます。痛みや膿、かゆみの違和感などが起こりますが、自覚症状を示さないケースも少なくありません。
排尿時痛を引き起こす
病気
前立腺炎
(急性前立腺炎:
細菌感染性前立腺炎)
尿道からの細菌感染によって前立腺が炎症する病気です。頻尿や残尿感が出ることもあり、20~30代の男性に多く見られます。炎症が強いと高熱や倦怠感などの全身症状が現れます。
尿道炎
尿道炎は、排尿の始めに焼けるような痛みを感じる病気です。細菌感染によって起こります。男性に多く見られ、性行為による感染が原因となります。進行すると排尿が困難になる恐れがあります。
尿路結石(尿管結石)
腎臓で形成された結石が尿路に詰まることで、突然激痛が起こったり排尿した終わりに痛みを感じたりします。結石のサイズや詰まる場所(腎臓や尿管、膀胱、尿道など)によって、治療法も変わります。
性器クラミジア感染症
男性の場合は排尿し始めた時に痛みを感じるようになります。女性の場合、発症した方の80%は無症状で、なかなか気付くことができません。
排尿時痛が何日続くと
受診するべき?
軽い痛みがある場合は、1~2日以内に泌尿器科へ受診することをお勧めします。
すぐに受診できない場合は、当院へお気軽にご相談ください。痛みが強い場合は、1日でも早く診察を受けるようにしましょう。
排尿時痛の検査
以下のような検査が実施されます。
尿検査
尿定性と尿沈渣検査が行われます。排尿時痛がある場合は、尿検査で炎症や血尿がないかをチェックします。
尿定性検査は30秒~2分程度で結果が分かる検査です。尿沈渣検査では遠心分離機にかけた沈殿物を顕微鏡で調べます。
女性の方は、月経中やおりものが多い時、膣が萎縮している時に検査を受けると、結果の精度が下がってしまう恐れがあります。
尿培養検査
膀胱炎の原因となる細菌を特定するために行われます。検査結果は1週間程度で得られます。
血液検査
全身の炎症の度合いや、臓器機能の低下を示す指標となります。発熱がある時に行われます。
超音波検査
(腹部エコー検査)
治療後でも症状が続く場合は超音波検査を行い、膀胱壁に異常がないかを確認します。